『HARVEST FESTIVAL2021』総評
なかなか収束しないコロナ禍の中で開催が危ぶまれていましたが、今年もなんとか開催することができました。
今年は去年よりも人数制限を緩和し、予選は40分6課題のコンテスト方式で行われたのですが、時間が長すぎることもなく適度な感がしました。3面同時進行でもそれといった問題もなかったかと思いますし、これからの新フォーマットとして取り入れてもいいかと感じました。
【予選】
予選の課題は各DIVISION毎に半分ずつ課題が被っているのですが、各カテゴリーの平均身長を考慮して、水色:120cm、赤色:125cm、橙色:130cm、緑色:140cm、青色:150cm、黒色:150cmぐらいの身長の選手が出来るようにと考えて設定しました。
各課題のグレードは以下の表のようになります。
① | ② | ③ | |
黒色 | 1級 | 1級/初段 | 初段 |
青色 | 2級 | 2級 | 1級 |
緑色 | 3級 | 3級 | 2級 |
橙色 | 3級 | 4級 | 3級/4級 |
赤色 | 5級 | 6級 | 6級 |
水色 | 7級 | 8級 | 7級 |
【決勝】
※オンサイトを狙っている方はこれ以降は読まないようにしてください。
DIVISION4
1課題目:6級
この課題は全員に登ってほしいということで易しめの設定。全員一撃でした。
2課題目:4級/5級
2課題目は打って変わってきびしめの設定。2年生がどれくらい登れるかわからなかったので警戒しすぎました。予選の様子を見てZONEの位置を1手前に修正。なんとか決着をつけることができました。
DIVISION3
1課題目:4級
横っ飛びのダブルダイノから始まる課題。ちょっと脅しが入っているけれども全体的に保持感もよく登りやすかったでしょうか?全員完登です。
2課題目:3級/4級
スタートからクロスで左手を出す設定。右足がハリボテなので小さい選手でも対応できますがスメアなのでリスキーな感じです。思い切っていったほうが吉。
上部は薄いカチの持ち替えがあるのですが、身長が低い選手は悪いフットホールドに上げなければならないので更に難易度が上がることに・・・。
DIVISION2
1課題目:3級?
スタートは少し出ずらいが、後はホールドの保持感もよく登りやすかったこの課題、あまりにも登りやすかったのでTOP取りをリスキーにするために1手前を反転。皆が苦戦する様子を見てやってしまったかと思いましたが上位2名は完登してくれました。
2課題目:2級
横っ飛びのダブルダイノで始まり連続したハリボテ帯を抜けていくこの課題、飛びついた後はまるでリードのように足技を駆使して登っていく。
最後は保持力と距離だしも求められる。完登1名。
WOMEN DIVISION1
1課題目:2級
垂壁に全てPROSETHOLDので構成された課題。流した足が他のルートのハリボテに当たってしまいジャッジに泣かされる選手も・・・。ホールドを取った後に振られて当たってしまったのは不運ではあるが、ホールドを取りに行くときに当ててしまうのは、あらかじめホールドが無いところに足をたたんでおくなどのコントロールができたほうが良いと思う。完登1名
2課題目:2級
壁のど真ん中に配置された目立つ課題、ランジは見た目より易しい。最近の女子選手ならこれくらいはきっちりこなしてくる。完登4名。
MEN DIVISION1
1課題目:初段
スタートからのダブルダイノから右手を出してZONEを止める課題、このムーブだけでこのグレードは出ていそう。ZONE獲得2名、完登1名。
2課題目:1級
トゥ―フックをかけて2つのハリボテを抑えていくテクニカルなスタート。TOP取りも気が抜けない。完登3名。
TSCAツアーの今後の展望
今年から栃木県の強化選手の選考レースとなったことにより、MEN DIVISION1に全国レベルの寺川選手、三竿選手、そして今回は出ていないが加藤選手が出てくるということで、レベルの高い戦いになるであろう中に、これまでのTSCAツアーで戦ってきた船木選手、井上選手、永井選手、戸田選手などがどのように絡んでいくかとてもたのしみである。またこの融合によってさらに全国大会で活躍する選手が生まれてくることに期待したい。
WOMEN DIVISION1は参加選手はさほど変わりはないが、全体的にかなり力をつけてきているように感じた。
DIVISION2は昨年WOMEN DIVISION1に出ていた齋藤選手が参加ということで、昨年急成長を遂げた石塚選手とどのような勝負になるかというのが楽しみであったが、今回は石塚選手が接戦を制した。もしかしたら6年生というのは男女差が出始める年代なのかもしれないという感じがあり、今までの男低女高の傾向が崩れていくかもしれない。他の男子の成長にも期待。
DIVISION3は決勝の進出者を見ると早生まれで降りてきた福田選手を除くと同じようなメンバーであった。今の4年生はツアー初期からの参加者も多く、経験値の差はなかなか埋まらないのではないかと感じられる。
DIVISION2とDIVISION3では世代の壁がかなりあるなと感じました。今年は下の世代の強化選手の選考も行わなければならないので、去年までの10位までにポイントを与えるシステムでは選考が難しいと予想される。現在20位ぐらいまでにポイントを与えるシステムに変更を企画しており、これによって下の世代の競争も楽しめるように、そして強化選手の選考もできるようにする予定です。
TSCAツアーのランキングに参加するためにはTSCA(栃木県スポーツクライミング協会)への入会が必要です。17日までに入会すれば今回の大会のポイントも加算されます。入会は下のリンクよりお願いします。
栃木県スポーツクライミング協会(TSCA)2021年度入会申込書 (google.com)
栃木県スポーツクライミング協会(TSCA) : 2021年度会員名簿 (blog.jp)
17日(日)まではコンペの予選・決勝ルートを全て残しておきますので是非トライしに来てください。