HARVEST FESTIVAL 2020 総評
今回のコンペは、新型コロナウイルス感染症対策として予選でベルトコンベア方式を採用しました。初めての試みであったため、何かトラブルがあった時に大変なのではないだろうか、とか1課題3分では短すぎて選手が満足できないのではないかなどの不安がありましたが、いざやってみると進行はスムーズだったし、選手もセッションのように並ぶ時間がないので課題に集中できて良かったのではないかと感じました。特に選手の保護者からは自分の子供が並んでるのをだらだら見ずに短い時間で観戦できるとの感想を頂き、なるほどそういう考え方もあるかと感じました。
また、1課題3分ということもあり、その辺を考慮した課題内容とグレード設定がうまくできていたのではないかと感じています。セッターは岡野寛氏と松島暁人氏、共に国際大会や国内の主要大会でセッターを務めるなどセット経験が豊富であり、バランスよくルートが設定されていたのではないかと思います。
ちなみに予選のグレードは
DIVISION3
予選① 7級(松島)
予選② 4級(岡野)
予選③ 6級(松島)
予選④ 5級(岡野)
DIVISION2
予選① 6級(岡野)
予選② 5級(松島)
予選③ 4級(岡野)
予選④ 3級/4級(松島)
WOMEN DIVISION1
予選① 4級/5級(松島)
予選② 3級(松島)
予選③ 3級(岡野)
予選④ 3級/4級(松島、DIVISION2と共用)
MEN DIVISION1
予選① 3級(松島)
予選② 2級(松島)
予選③ 2級/3級(岡野)
予選④ 1級/2級(岡野)
という感じでした。いつものセッション方式と比べて予選グレードは若干低いと思いますので、難しいグレードを落とすというよりは、いかに少ないアテンプトで課題を落とすかということが求められたのではないでしょうか。力はあってもルートが読めない、4点スタートを忘れてしまう等でアテンプトを重ねてしまって順位が下がってしまった選手も多く見受けられました。
決勝はいつものオブザベ2分がありの4分なので、若干グレードも上がっています。
DIVISION3
決勝① 4級(岡野)
決勝② 4級/5級(松島)
DIVISION3はホールドがポジティブな1課題目に対し、緩傾斜にTEKNIKのスローパーが配置された2課題目のほうが選手には難しく感じたのではないでしょうか。
DIVISION2
決勝① 3級/4級(松島)
決勝② 3級/4級(岡野)
DIVISION2は2課題とも3級/4級で設定されていますが、内容は全く別。1課題目はPROSETホールドのポケットとスローパーで振られをいかに耐えるかという保持系課題。
2課題目は打って変わってまるでリードルートの一部を切り取ったような課題。1手1手はそこまで悪くはないが、的確なムーブ選択と持久力が試された課題。東京オリンピックでリード種目のセットを担当する岡野氏のエッセンスが散りばめられている?
WOMEN DIVISION1
決勝① 2級(松島)
決勝② 3級(岡野)
WOMEN DIVISION2の決勝1課題目は、ルーフの出口からランジでダイナミックに右手でピンチをとらえる課題。女子選手はダイナミックを選ばずに左手出しをした選手も。
2課題目はZONE取りの一手で引き付け力を試された。
MEN DIVISION1
決勝① 1級/2級(松島)
決勝② 2級(岡野)
MEN DIVISION1の決勝1課題目はムーブはもう見た通りという感じのパワフル系課題。
2課題目は一見難解そうなスタートの課題。小さな選手も様々なムーブを選択して攻略。設定ムーブは結構崩されていました。
最後にコンペを開催するためにはジャッジが必要不可欠です。今回のコンペではJMSCA公認の審判員の方々にご協力を頂きました。2日間ありがとうございました。
現在10級~初段/二段までのルートがラインセットで48課題設定されています。コンペに出されなかった課題もありますのでぜひ登りに来てください。